教育心理学研究
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非行少年の気質に関する実験的研究: I
西村 邦子
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1963 年 11 巻 3 号 p. 168-178,192

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抄録

非行者の理解から矯正・予測・健全育成までを結ぶ一連の研究過程の出発点として, 非行少年に特徴的な気質のパターンを集団的にも個人的にもとり出す目的で本研究は計画された。そのために実験的方法が用いられ, 12 の気質, その他の項目3について知能テストを含めて40 のテストが実施された。被験者は, 非行群として横浜少年鑑別所収容少年30名, 統制群として日本鋼管従業員教習所生徒20名, 橘学苑女子高等学校生徒10名, 計60名であつた。その結果, 非行群と統制群とを比較した場合, 以下の18項目のテストについて特徴的な差異が見出された。すなわち, 1. Embedded pattern, 2問題解決 (迷路), 3. 問題解決 (3語の類似), 4. 数暗示テスト, 5. 焦躁反応検査, 6. ラッキ―パズル (欲求不満の耐性) 7. G. S. R., 8. Aircraft range test,9. 犬→猫, 10 猫→ネズミ, 11. 円→四角, 12分類, 13. タッピング 14. Sears-Hovland test, 15. ラッキ―パズル (持続性), 16. ラッキ―パズル (おちつきのなさ), 17. わなげ, 18. 桐原一Downeyテスト-6 (正確さへの欲求), である。

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© 日本教育心理学会
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