教育心理学研究
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分類行動の発達的研究I
三浦 香苗
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1967 年 15 巻 2 号 p. 65-74,124

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抄録

いくつかの次元 (属性) を持った事例をいくつかの結合的カテゴリーに分ける分類基準を被験者がいくつ挙げることができるか, また, その列挙に変化次元数・値の数・関与次元数・不適切次元の有無・事例数・知覚的援助の程度がいかに影響するかを調べ, それにより分類行動の発達を考える。
実験はIとIIが行なわれ, どちらも個々面接法で, 各学年15~20名に行なわれた。
実験1は, 小学1年生・3年生・5年生・中学1年生に, 形・高さ・色・傾きの4次元, および, 形・高さ・色の3次元がそれぞれ2値をもつ積木を, 2組・4組・8組に分ける課題を行なわせた。
実験IIIでは, 小学3年生・5年生.中学1年生・3年生の被験者に, 1枚のカードに5個の図形, そのおのおのが2色の一方である, を並列的に並べたもの32枚を, 2組・4組・8組に分類させた。
この2実験より明らかにされた点は,
1.1つの次元を関与次元とする2分の分類基準を列挙することは, 小学1年生と3年生の間に有意な差があった。
2.関与次元数が2の4分は, 小学1年生と3年生, 3年生と5年生の間に有意差をもつ。
3.関与次元数3の8分は, 小学3年生と5年生, 5年生と中学1年生の間で有意差があった。
また, 変化次元数よりも, 関与次元数の方が, 分類のむずかしさに影響するらしいことも示唆された

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