教育心理学研究
Online ISSN : 2186-3075
Print ISSN : 0021-5015
ISSN-L : 0021-5015
II僻地児童・生徒の知能の実態
中島 力
著者情報
ジャーナル フリー

1969 年 2 巻 4 号 p. 17-22,56

詳細
抄録

1) 僻地の児童及び青年にA式及びB式の団体知能検査を実施した結果, 各地区別の知能偏差値は41~48点の間にあり, 一般標準若しくは都市の平均に比してかなり低い事が示された。
2) 農山村と漁村の児童・青年の知能の間には殆んど差を認める事が出来なかつた。
3) A式とB式の両検査の結果を比較する乙一般的にB式検査の方が成績は良好であるが, これも地区によっては差の認められないものもある。
4) 下位検査問題に対する成績では僻地の場合はそのすべてに於いて都市の場合よりも劣つている事が示された。しかし問題によつては僻地の児童, 青年にとつて特に困難なものや, それ程ではないものがある様に思われるので, 単に知能の量的な測定のみでなく, 質的な面についても研究される事が必要であると考えられる。

著者関連情報
© 日本教育心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top