教育心理学研究
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幼児の再認における言語手がかりの効果
大野 佳香
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1978 年 26 巻 3 号 p. 202-205

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抄録

子どもの記憶の発達において, 言語的手がかりを媒介的に利用することができない媒介欠如段階にあると考えられている3才児と5才児を用いて, 記憶における年齢差を検討してみた。そのために, 本研究では, 子どもが記憶しようとしている時に, 実験者が刺激の事例名とカテゴリー名を教示すやという方法を用いて, その言語ラベルの使用を促すことによって, 幼児の記憶が促進されるかどうかを検討した。
その結果, 5才児は外からの援助によって明らかに媒介欠如段階は解消され, 再認成績は促進されたが, 3才児は外からの援助によっても解消されない段階にあることが明らかになった。このように, 再認記憶においても, 言語利用能力の発達が密接に関連していることが明らかである。

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© 日本教育心理学会
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