教育心理学研究
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資料原因帰属尺度構成に関する研究
金子 智栄子
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1982 年 30 巻 3 号 p. 227-232

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抄録

Weinerの原因帰属理論の立場から5 (課題場面) ×2 (P事態, N事態) ×4 (原因帰属要因) の観点を含む原因帰属の項目を作成し, 中学2年生に3段階のLikert法で評定させ, P事態とN事態の様々な課題場面での原因帰属の様相を調べた。因子分析の結果, P事態とN事態とでは内的帰属の仕方が異なり, 両事態ともに「外的帰属」, 「努力」, 「能力」と考えられる3因子が設定されることが明らかになった。内的-外的, 安定-不安定の関係を調べるために2
因子問の相関を求めてみたところ, 同一事態内においては「外的」×「能力」に正の相関がみられ, 外的状況と能力の適合, 不適合が結果に影響すると考える傾向があることが見出された。異なる事態間においては, P事態の「外的」×N事態の「能力」, P事態の「能力」×N 事態の「外的」に非常に高い正の相関があり, 前者は自尊心の低さを, 後者は自尊心の高さをあらわしていると考えられた。

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© 日本教育心理学会
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