教育心理学研究
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幼児における両手による線描画課題での逆操作の発達
松村 暢隆
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1982 年 30 巻 4 号 p. 298-301

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抄録

幼児を対象に, 両手で同時に2本の線を描き, 途中で 1本または2本の線の方向を逆にして描く課題を行った。おもな結果は以下のとおりである。
1. 1本逆や2本逆の描画は, 4歳では困難で, 6歳で多くの者ができるようになった。6歳ごろに, この課題の図形の静的および動的な意味化が急に進むと思われた。
2. 1本逆と2本逆を比較すると, タテ線では有意差がなかったが, ヨコ線では2本逆のほうが1本逆より困難であった。2本逆は両手の分化した動作の組み合わせであると推定された。

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© 日本教育心理学会
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