教育心理学研究
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精神遅滞児の単純反応時間, 選択反応時間の分析
雨宮 政
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1985 年 33 巻 4 号 p. 273-277

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抄録

本研究では, MAマッチされた精神遅滞児 (MR児) と普通児 (N児) を対象として, 彼らのSRT, CRTを分析した。
その結果, 次のことが明らかになった。
SRT事態ではMR群とN群との問に大きなRT差が示されたが, CRT事態では有意なRT差が認められなかった。SRTレベルが同一であるMR-C群とN群との間でもCRTの差が認められなかった。MA5-8歳レベルN児は, 高次の心理的操作の要求されるCRT事態でも, MR児と同じ反応とすることが明らかになった。そこで, N児は, MA7-8歳で何らかの心理活動の転換を迎えることが推測された。

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© 日本教育心理学会
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