教育心理学研究
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青年の自己愛傾向と自尊感情, 友人関係のあり方との関連
小塩 真司
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1998 年 46 巻 3 号 p. 280-290

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抄録

本研究の目的は, 自己愛傾向と自尊感情との関わりを検討すること, そしてその両者が, 青年期における友人関係とどのように関連しているのかを検討することであった。自己愛人格目録 (NPI), 自尊感情尺度 (SE-1), 友人関係尺度が265名 (男子146名, 女子119名) に実施された。NPIの因子分析結果から, 「優越感. 有能感」「注目・賞賛欲求」「自己主張性」の3つの下位尺度が得られた。NPIとSE-1との相関から, 自己愛は全体として自尊感情と正の相関関係にあるが, 特に「注目・賞賛欲求」はSE-1と無相関であり, SE-1の下位尺度との関係から, 高い自己価値を持つ一方, 他者の評価に敏感であり, 社会的な不安を示すといった特徴を有していることが明らかとなった。これらの結果は, NPIの妥当性を示す1っの結果であると考えられた。また, 友人関係尺度の因子分析結果から, 友人関係の広さの次元と浅さの次元が見出され, その2つの次元によって友人関係のあり方が四類型された。この友人関係のあり方と NPI, SE-1との関係が分析された。結果より, 広い友人関係を自己報告することと自己愛傾向が, 深い友人関係を自己報告することと自尊感情とが関連していることが明らかとなった。このことから, 青年期の心理的特徴と友人関係のあり方とが密接に関連していることが示唆された。

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© 日本教育心理学会
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