教育心理学研究
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Wason選択課題における選択の主観的理由
山 祐嗣
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1999 年 47 巻 1 号 p. 11-18

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抄録

Wason選択課題の抽象的標準版と否定版 (例えば, もしpならばqではない) が36名の被験者に課せられ, 各カードを調べる必要があるか否かとその判断の確信度を5件法で評定することが求められた。さらに課題終了後, 被験者は各決定の理由を質問されるという形式で, 追観プロトコルが求められた。その理由に矛盾が見いだされると, 被験者の心の中で矛盾が解決されるまで, プロンプト質問が行われた。選択データによれば, 被験者は条件文に明示されているカードを選択する傾向にあり, マッチングバイアス説 (Evans & Lynch, 1973) を支持した。しかし, 何名かの被験者は, プロトコルデータから, 肯定文において関連性判断の後, 確証を行ったり, 双条件解決を行っていることが推察された。

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© 日本教育心理学会
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