教育心理学研究
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選択的注意における偶発文脈の有効性と注意切り替えコントロールに関する発達的研究
坂田 陽子
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2002 年 50 巻 2 号 p. 163-174

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抄録

本研究の目的は, 第1にターゲット (T) と偶発文脈 (IC) との間の関連性に関する知識の有無が, 選択的注意における偶発文脈の有効性に与える影響を明らかにすること (実験1), 第2に知覚と概念的関連間への注意切り替えコントロールの発達過程を明らかにすること (実験2) であった。実験1では, 4歳・6歳・成人を対象に, 被験者がT-IC間の概念的関連について既知の刺激と未知の刺激と, 知覚的に関連した刺激を用いて, 選択的注意課題を施行した。その結果, 年齢に関係無く, T-IC間の知覚的・概念的関連を理解できる知識を所有している場合は, 選択的注意に対して偶発文脈が有効に働くということがわかった。実験2では, T-IC間の概念的または知覚的に関連した刺激を, 1つの刺激として重ね合わせて呈示し, 課題要求に応じて注意を切り替えて遂行するという選択的注意課題を施行した。その結果, 6歳児と成人は知覚-概念的関連間でも課題要求に合わせて注意をコントロールし, 柔軟に切り替えて選択的注意課題を遂行できたが, 4歳児はできなかった。以上の結果から, 選択的注意の発達要因として, 2種のコントロールの発達が考えられた。

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© 日本教育心理学会
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