教育心理学研究
Online ISSN : 2186-3075
Print ISSN : 0021-5015
ISSN-L : 0021-5015
セルフ・エスティームの低下を防ぐための授業の効果に関する研究
ネガティブな事象に対する自己否定的な認知への反駁の促進
川井 栄治吉田 寿夫宮元 博章山中 一英
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 54 巻 1 号 p. 112-123

詳細
抄録

ネガティブな事象に対する認知パタンが自己否定的なものに固定化し, それに伴って自己効力感やセルフ・エスティームが低下することを防ぐための授業を考案して, それを小学校高学年の児童に対して学級単位で実施し, その効果について多面的な検討を行った。実験計画はプリポスト・デザインとポストオンリー・デザインを併用した統制群法であり, 自己否定的な認知パタンを固定化させないようにすることの必要性について説明したうえで, 実際にそのための授業を行う実験群と, 前者の説明のみを行う統制群を設けた。得られたデータを分析した結果, 実験群の児童の方が統制群の児童よりも, 自己否定的な認知パタンを否定する方向の信念を抱くようになっているとともに, 自己効力感とセルフ・エスティームが高まっていることが示された。また, このような効果の持続性および日常への般化の存在も示された。

著者関連情報
© 日本教育心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top