教育心理学研究
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構造方程式モデリングにおける検定統計量のBartlett補正
岡田 謙介星野 崇宏繁桝 算男
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2007 年 55 巻 3 号 p. 382-392

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抄録

構造方程式モデリング (SEM) では柔軟なモデル構成が可能であるために, モデルの評価・選択が重要になる。統計的モデル選択において基本となる統計量に尤度比検定統計量Tがあり, SEMでもこれが漸近的にx2分布にしたがう性質を利用した検定が可能である。しかし, 標本サイズが小さいとき検定統計量Tの標本分布はx2分布から正方向に逸脱する。逸脱の度合いは1因子あたりの観測変数数が大きいとき, とくに大きくなる。通常得られる教育心理学データの標本数程度では, この逸脱のため, 適切なモデル選択が行えなくなってしまう。また, 適合度指標の大部分はx2分布にしたがうTの関数として構成されるので, Tの分布のゆがみが直接的に波及する。そこで, 我々は今回TにBartlett補正を適用し, そのx2分布への近似精度を向上させる方法を提案する。モンテカルロ実験により, 提案した方法がTの標本分布のx2分布に対する近似精度を大幅に改善していることを確認する。

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© 日本教育心理学会
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