教育心理学研究
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“やりたいこと探し”の動機における自己決定性の検討
進路不決断に及ぼす影響の観点から
萩原 俊彦櫻井 茂男
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2008 年 56 巻 1 号 p. 1-13

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抄録

本研究の目的は, 大学生の職業選択に関連すると考えられる“やりたいこと探し”の動機を明らかにし, その動機の自己決定性と進路不決断との関連を検討することであった。まず, どの程度自己決定的な動機で職業選択に関わる“やりたいこと探し”をしているかを測定する尺度を作成し, 信頼性と妥当性を検討した。尺度項目の因子分析の結果から, やりたいことを探す動機として, 非自己決定的な「他者追随」, 自己決定性においては中間的な「社会的安定希求」, 自己決定的な「自己充足志向」の3因子が抽出され, 尺度の信頼性と妥当性が確認された。作成された“やりたいこと探し”の動機尺度を用いて, “やりたいこと探し”の動機の個人差と進路不決断との関連を検討したところ, “やりたいこと探し” の動機のうち, 非自己決定的な動機である「他者追随」が相対的に高い非自己決定的動機群は, 進路不決断の面で問題を抱えている可能性が示唆された。本研究で得られた結果は, 現代青年のキャリア意識として広く支持されている“やりたいこと”志向と職業選択との関連を検討する上で意義があると考えられる。

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