教育心理学研究
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重要な他者との関係を通して構築された関係性様態の特徴
信頼感およびアイデンテイテイとの関連
永田 彰子岡本 祐子
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2008 年 56 巻 2 号 p. 149-159

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抄録

本研究は, ライフサイクルを通した重要な他者との関係において構築された関係性の各様態の特徴について明らかにするために, 信頼感およびアイデンティティとの関連について検討することを目的とした。成人中期から後期の男女206名を対象に, 関係性様態, 信頼感, アイデンティティを尋ねる質問紙調査を実施した。その結果, 関係性様態と信頼感との関連において, 関係性発達の構成概念である, 重要な他者との関係における葛藤や危機を通して主体的位置づけが重要な要素であることが示された。信頼感が主体的位置づけを行う際の模索の重要なエネルギー源であると推察された。さらに関係性様態とアイデンティティとの関連において, 関係性発達の構成概念である主体的位置づけが重要な要素であることが示された。関係性発達のもう一つの構成概念であるコミットメントの普遍化で関連が見られなかったことについて, アイデンティティ研究のコミットメントと対他者の文脈でのコミットメントは質が異なることが推察された。また, 関係性様態とアイデンティティ・ステイタスとの関連においては, 一部で関連性が見出された。

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© 日本教育心理学会
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