てんかん研究
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症例報告
脳梁離断術後に発作が消失したPeriodic Spasmsの1例
木村 清次斎藤 義朗田邉 豊
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2005 年 23 巻 2 号 p. 131-136

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抄録

Periodic spasms(PS)はWest症候群類似のシリーズ形成性spasmを示す発作型である。発作時脳波は速波が重なる全般性高振幅徐波を特徴とし、脳波所見のみから判断すると全般性高振幅徐波は非てんかん性放電と間違えやすく、発作時の観察またはビデオ脳波同時記録が必要である。PSは抗てんかん薬に反応しにくく治療に難渋する。今回の症例は1歳6カ月からPSが発症し、経過中に複雑部分発作、全般性多棘律動に伴う単発性の強直発作、および転倒発作を合併した。種々の抗てんかん薬が無効で、転倒発作による外傷の機会が多くなり15歳で全脳梁離断を行った。術後約2年を経過するが、全ての型の発作の再発を認めず、またPS時や強直発作時にみられた全般性放電も消失している。脳梁離断が本例に有効であった理由の説明は難しいが、脳梁は単なるてんかん性放電の伝播経路ではなく、多焦点性てんかん発射の両側同期化をコントロールしている可能性が示唆される。

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© 2005 日本てんかん学会
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