てんかん研究
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症例報告
30歳代発症の欠神てんかんが疑われる一例
永森 千寿子赤座 実穂前原 健寿稲次 基希角 勇樹原 恵子
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2018 年 36 巻 1 号 p. 52-58

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抄録

小児欠神てんかんや若年欠神てんかんの診断には、発症年齢、発作型、脳波上で左右同期する律動的な3 Hz棘徐波複合などが重要である。欠神発作の初発年齢は小児から若年であることが多いが、今回30歳代初発の欠神てんかんが疑われる症例を経験したため報告する。症例は39歳女性で元来健康であり、日に3~4回の瞬間的な意識消失を主訴に医療機関を受診した。ビデオ脳波検査では過呼吸賦活中に7~8秒間持続する3.5~4 Hzの全般性棘徐波複合を呈し、脳波所見出現に合わせて意識消失を認め、欠神てんかんと診断した。成人発症の欠神てんかんは稀であるが、30歳代以降初発の欠神てんかんの報告は散見される。本症例より、発症年齢から複雑部分発作が疑われる場合にも、欠神発作である可能性も念頭に置き、適切な賦活を含めた脳波検査が診断において重要であると考えた。

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© 2018 日本てんかん学会
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