11 巻 (1993) 2 号 p. 101-109
本院にてんかんを主訴として来院し, 単純部分発作を示した563人の患者からdysmnestic seizure (記憶障害発作) を報告した72人の患者を対象として選択した。その内訳は, 既知感が34人, 現実感喪失が29人, 追想が20人であった。自律神経性前兆を示す患者群との比較において, dysmnestic seizureを持った患者は, (1) 発症年齢が高い, (2) 不安発作の合併率が高い, (3) 複雑熱性痙攣の既往歴が少ないという諸点が統計的に有意な差異を示していた。Dreamy stateやintellectual auraなどといった伝統的な述語と国際分類のdysmnestic seizureとの関係を論ずるとともに, 導きだされた結果に対して若干の文献的考察を加えた。