てんかん研究
Online ISSN : 1347-5509
Print ISSN : 0912-0890
ISSN-L : 0912-0890
部分発作を合併した点頭てんかんの3症例
吉岡 三恵子黒木 茂一小林 健一郎斉藤 潤松本 茂男
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 18 巻 3 号 p. 212-219

詳細
抄録

部分発作を合併した点頭てんかんの3症例を経験し、発達に視点をおいて、治療と予後を検討した。3症例は周産期や点頭てんかん発症までの発達には異常なく、2例では点頭てんかん発症前に部分発作が認められていたが、後に両発作が併存するようになった。他の1例では両発作が同時期に発症し併存した。両発作の併存は長時間ビデオー脳波同時記録で確認した。画像上の局在病変として、1例はMRIで左側頭部に嚢腫様腫瘤、他の1例ではSPECTで左側頭部に低灌流域を認めた。3例とも発作はパルプ口酸とビタミンB6の併用またはACTHによりいったん抑制されたが、いずれも再発した。2例ではACTHと他の抗てんかん薬によって再び抑えられたが、他の1例は難治であり、左側頭葉部分切除によって発作の消失と発達の改善をみた。部分発作を合併する点頭てんかんの症例には切除術の有効な例もあると考えられた。

著者関連情報
© 日本てんかん学会
前の記事 次の記事
feedback
Top