てんかん研究
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抗てんかん剤長期服用におけるくる病発症要因と治療に関する研究
横山 純好児玉 荘一松井 忠孝小松 幹夫小西 英己田中 一宏桃田 敬子松尾 保
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1987 年 5 巻 2 号 p. 84-91

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抄録

当科で3年以上抗てんかん剤を服用している患児92例につき血清Ca, P, Al-p, 25-OH-D値を測定した。更に92例中82例にMD法によりΣGS/D値を求めた。
1) Caは21例 (22.8%), 25-OH-D値は17例 (18.5%) が異常を示し, 両者共に服薬年数が長い程異常を示す比率が高かった。
2) ΣGS/D値は82例中11例 (13.4%) が異常を示しその殆どが7年以上の長期多剤服用者であった。
3) ΣGS/D値の異常と25-OH-D値の異常とは有意の相関を示した (P<0.01)。
次に25-OH-D値またはΣGS/D値が異常を示した症例のうち16例に対して1α-OH-D3製剤を18ヵ月にわたり投与し経時的に治療効果を検討した。
4) 1α-OH-D3の投与により血清Ca値は3ヵ月で有意に上昇し, 25-OH-D値は6カ月で正常に復した。
5) ΣGS/D値は健常人の回帰直線を上回る改善を示した。
以上の結果より, くる病発症の要因として多剤の抗てんかん剤を長期に服用することが考えられ, 早期発見には血清Ca, 25-OH-DとともにΣGS/D値の検索が有用であり早期治療として1α-OH-D3は有効であると思われた。

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© 日本てんかん学会
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