実験社会心理学研究
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原著論文
安全で円滑な看護業務遂行のためのアクションリサーチ ―病棟クラーク導入が看護師の行動的・心理的側面へ及ぼす影響の検討―
田原 直美三沢 良山口 裕幸
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2008 年 48 巻 1 号 p. 74-86

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抄録

本研究は,病棟クラークの導入が看護師の業務の安全性と円滑さに及ぼす影響を,看護師の行動的及び心理的側面から検討した。K大学病院のA病棟に2名の病棟クラークを約8ヶ月間試験的に導入し,看護師の,業務中断経験,業務中のトラブル経験,ストレッサー,及びチームワークについて,導入前後の変化を追跡調査した。分析の結果,クラーク導入後のポジティブな変化として,看護師の業務中断経験及びトラブル経験の減少が確認されたが,ネガティブな変化として,患者に対応の遅れを指摘される経験の増加と看護師のチームワークプロセス認知の悪化が認められた。クラークの導入は看護師の業務負担軽減や安全性確保に有効であるが,そのためには,一定の時間とクラークと看護師の連携が不可欠であることが示唆された。

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© 2008 日本グループ・ダイナミックス学会
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