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実験社会心理学研究
Vol. 56 (2016-2017) No. 1 p. 70-81

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http://doi.org/10.2130/jjesp.si2-5

原著論文

本論考では,組織開発における組織診断が組織のその後の経過に与える影響について事例を用いて検討し,組織診断という働きかけがどのようなプロセスで組織の「時間」に影響を与えるかを論じた。組織開発における組織診断とは,何が,どのように起こっているのかという組織の行動と現状を組織自身が理解することを目指して行われる。組織診断とフィードバック,その後のフォローアップの事例におけるアンケートから,組織診断が組織のダイナミックスへ与える影響が考察された。具体的には,組織診断とフィードバックにより,組織の「今」をどう捉えるのかという共通認識が生成されたこと,また,フォローアップのインタビューとアンケートの結果から,組織診断後に協力的コミュニケーションの兆しが見られたことが示唆された。最後に,組織診断とその後の組織内の対話を経て,組織の時間的展望が生成され,それがモラールへ影響したという視点で今回の事例が考察された。具体的には,時間的展望の発達が個々人の主体性・能動性に繋がったという視点と,時間的展望が問題意識を共有する成員を結びつける形で協力的コミュニケーションに繋がったという視点から考察された。

Copyright © 2016 日本グループ・ダイナミックス学会

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