論文ID: 2416
これまで,多数の選択肢が選択後の満足度を低下させることが示されており,選択のオーバーロード現象と呼ばれている。本研究は,獲得したい対象を選択肢とした従来のオーバーロード現象と異なり,忌避される選択肢を題材に検討したものである。参加者にギャンブル課題に失敗させた後,罰ゲームを選択させるという手続きをもとに,2(選択の自由の有無)×2(選択肢数の多少)のデザインで実験を行った。実験の結果,選択の自由がある条件でのみ,多数選択肢は,選ばなかった選択肢に対するコスト評価を指す機会コストや選択後のネガティブ感情を低下させることが示された。さらに選択後のネガティブ感情は機会コストが媒介していることが認められた。すなわち,忌避される対象を選択する場合では従来の選択のオーバーロード現象と異なり,選択肢数が多いほど,選ばなかった選択肢から受けたはずのコストが削減されたため,選択結果をよりポジティブに捉えたと考えられる。