教育・社会心理学研究
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バス運転手の事故防止に関する集団決定の効果
三隅 二不二篠原 弘章
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1967 年 6 巻 2 号 p. 125-133

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抄録

1) 集団決定に参加後6ヵ月間に, 集団決定に参加した45名の運転手の事故率は, 約3分の1に減少した。さらに10ヵ月間においては, 5分の1に減少した。
2) 集団決定参加者が, 職場からグループで参加した場合と準単独で参加した場合で, 事故減少率に明らかな差異が見いだされた。集団参加群 (34名) は, 集団決定後6ヵ月間で決定前6ヵ月間の7分の1, 10ヵ月後で決定前10ヵ月間の約9分の1の減少率を示したが, 準単独参加群 (11名) の場合は集団決定前後6ヵ月間で差異がなく, 決定後10ヵ月間で決定前10ヵ月間の約3分の2の減少率であった。
3) 集団決定参加者45名全員について事故の自然減少率を考慮した場合は, 集団決定の効果として,
a) 集団決定前後6ヵ月間の事故の比較において, 15件の事故のうち4件が, 自然減少率を減却した残差であり, 集団決定の効果として考察される。
b) 集団決定前後10ヵ月間の比較においては, 30件のうち, 17件の事故が自然減少率を減却した残差であり, 集団決定の効果として考察される。

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