実験社会心理学研究
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距離知覚判断による対リーダー対作品への感情負荷の検討
田崎 敏昭
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1972 年 12 巻 1 号 p. 20-27

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抄録

本研究はPM式リーダーシップの各類型とメンバーの対リーダー感情負荷及び, 各類型の下で生産された品物 (作品) に対する感情負荷との関係を実験的に明らかにしようとしたものである。メンバーの対リーダー, 対作品感情負荷については, 距離測定装置上で知覚対象物の主観的距離知覚判断と客観的物理的距離のくい違いから推測していく方法を用いた。被験者は女子大学生24名。結果は次のとうりである。全ての被験者は距離測定装置上の知覚対象物として, 同じ人物の写真を見せられたにもかかわらず, PM的リーダー, 及びM的リーダーの下で作業をしたメンバーは, それがリーダーの写真であることを知らされると, 自己にとって好ましい対象物を定位させる方向 (正の感情価方向) へ写真を移動させ, P的リーダーの下で作業したメンバーは, 自己にとって好ましくない対象物を定位させる方向 (負の感情価方向) へ写真を移動させた。知覚対象物を作品にした場合もリーダーの写真と同じ関係がみられた。これらの結果より, PM的, M的リーダーの下で作業したメンバーは, そのリーダー及び作品に対して正の感情を負荷し, P的リーダーの下で作業したメンバーは, そのリーダー及び作品に対して負の感情を負荷したと解釈されよう。

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© 日本グループ・ダイナミックス学会
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