実験社会心理学研究
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コンデンセーション法による大局的集団構造特性の集約
狩野 素朗
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1985 年 24 巻 2 号 p. 111-119

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抄録

集団構造の研究において, 大局的な構造解析を行うことの重要性を指摘し, 大局的特性を記述する次元として, 統合性, 集申性, 極性, 階層性, そして稠密性の5つを提示し, それらについて概念的明確化を行った。
次いで集団成員内のソシオメトリック関係による大局的構造の集約的な把握・表示を目的とするコンデンセーションの手法について紹介した。この方法は拡張された相互選択関係によって結合されたサブ・グループを1つのコンポーネントと見なすことによって, 全体構造をコンポーネント間の関係として集約表示するものである。
本論文ではコンデンセーションの一般的作成手順を示すとともに, 学級集団の分析を例としながら, 具体的手法について紹介した。
さらにこの手法を中学校の学級集団の構造分析に適用し, それによって得られたコンデンセーションのいくつかを例示することによって, この方法の有用性について論じた。

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