実験社会心理学研究
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SELF-AWARENESSにおける「注意」について自己への責任帰属を手掛かりとして
石井 徹
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1986 年 25 巻 2 号 p. 137-146

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抄録

本研究では「private self-awarenessは, 望ましくない出来事に対する責任の自己への帰属を低める」との仮説を検証するために, 仮想場面を用いて実験を行なった。従来の研究結果とは逆の結果を予測したにもかかわらず仮説は支持された。Private self-awareness High群の被験者はLow群の被験者よりも, 望ましくない出来事の責任をより少なく自己に帰属した。さらにこの結果はPrivate Self-Consciousnessについてより顕著に見出された。Public Self-Consciousnessについてはこれとは逆に, Private Self-Consciousness得点の低い群において, 高得点者は低得点者よりも, 望ましくない出来事の責任をより多く自己に帰属した。考察ではこの結果と従来の研究結果との比較を基に, self-awarenessの定義修正の必要性を検討した。

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© 日本グループ・ダイナミックス学会
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