実験社会心理学研究
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参加的リーダーシップと部下のモラールとの関係に及ぼす部下の権威主義的傾向および職務特性の効果
松原 敏浩
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1988 年 28 巻 1 号 p. 11-20

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抄録

本研究は参加的リーダーシップとモラールの関係に及ぼす権威主義的性格の仲介効果 (仮説1), 権威主義的性格と職務多様性の組み合わせによる仲介効果 (仮説2), 道具的リーダーシップとモラールの関係におよぼす成長欲求と職務内容の多様性 (仮説3), 支持的リーダーシップ行動とモラールの関係におよぼす成長欲求と多様性の仲介効果 (仮説4) を検討した。対象は, 機械関連メーカーの従業員120名, 地方公共団体の職員158名であった。
得られた結果は次のようなものであった。
1. 権威主義的性格の強い部下は, 権威主義的性格の弱い部下に比べて参加的リーダーシップとモラールの相関が低かった。
2. 権威主義的性格の部下であっても職務の内容が多様性に富む場合には参加的リーダーシップとモラールの相関は高く, 多様性に欠ける場合には低い。
3. 成長欲求が高い部下で, かつ職務の多様性の高い場合には, B組織では道具的リーダーシップとモラールの間に高い相関が得られたが, A組織ではそうした傾向はみられず仮説3は支持されなかった。
4. 成長欲求が高い部下で, かつ職務の多様性の高い場合には, B組織では支持的リーダーシップとモラールのあいだに低い相関が得られたが, A組織ではそうした結果は得られなかった。従って仮説4もA組織では支持されなかった。結果についての討論がなされた。

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© 日本グループ・ダイナミックス学会
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