実験社会心理学研究
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リーダーシップ過程の性差に関する研究の現状
坂田 桐子
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1996 年 36 巻 1 号 p. 114-130

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抄録

本研究では, リーダーシップ過程における性差に関する研究の展望から, 性差を説明する重要な影響要因を特定し, 今後解明されるべき点を示唆した。本研究で焦点を当てたリーダーシップ過程は, (1) リーダー役割の獲得過程, (2) リーダーシップ・スタイルと影響方略, (3) リーダーシップ有効性, である。国内外の知見から, リーダーシップ過程全般にわたって性差を規定する主要因として, リーダー役割 (または課題) の性別適合性, 組織の性別構成, および組織風土の3点が示唆された。また, 特にリーダー役割の獲得過程の性差を規定する要因として, リーダーの地位の可視性 (position visibility) を考慮すべきことを提案した。最後に, 実際の組織場面において, これらの主要因がリーダーシップ過程における性差をどのように規定するかを説明する仮説モデルを提示した。

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© 日本グループ・ダイナミックス学会
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