実験社会心理学研究
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大学生運動部主将のリーダーシップ効果を規定する諸要因
野上 真
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1997 年 37 巻 2 号 p. 203-215

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抄録

本稿では, 学生の運動部集団において, 主将のリーダーシップ効果が, 部員の学年, 技能水準, 自律性および種目により, いかに規定されるかを検討した。その結果, 得られた知見をまとめると, 以下の通りである。
第一に, 高学年の部員ほど, 主将の計画Pの正の効果が高まる傾向が見られた。また, 低学年の部員ほど, 主将のMの正の効果が高まった。
第二に, 補欠選手より正選手において, 主将の計画Pの正の効果が現れやすく, また, 圧力Pの負の効果が現れやすかった。また, 正選手より補欠選手において, 主将のMの正の効果が高まった。
第三に, 自律性の低い部員よりも高い部員において, 主将のMの正の効果が現れやすく, また, 圧力Pの負の効果が現れにくかった。また, 自律性の高い部員より低い部員において, 主将の計画Pの正の効果が高まった。
第四に, 個人種目, 集団種目の違いにより, 主将のリーダーシップ効果に顕著な差は見られなかった。

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