2001 年 40 巻 2 号 p. 115-121
自己隠蔽尺度 (SCS; Larson & Chastain, 1990) を日本語に翻訳し, さらに新たな項目を加えたうえで取捨選択し, 日本語版自己隠蔽尺度を作成した。これに, 木田ら (1993) が開発した刺激希求尺度を加えて, 身体症状尺度との関係を検討した。友人の数, 親友の数, 雑談頻度, 外的刺激希求尺度を統制したうえで, 内的刺激希求尺度と自己隠蔽尺度は自覚的な身体症状と有意な相関を示した。この結果は, 隠蔽した嫌悪的記憶の量と記憶へのアクセス頻度が積極的抑制 (Pennebaker, 1989) によって生じるストレスを規定する可能性を示唆している。