TRAWEEK (1988)は「高校の物理の生徒が見ている物理学と専門家が見ている物理学ではとてつもなく大きな差がある」と指摘している.また,学校化された価値観は,実験などの科学的実践体験を過小評価する傾向を持つ.本論では,学習者が科学技術を主体的に学ぶ環境のデザインを目指したとき,近年の科学技術教育研究の動向から「科学的実践」と(職業的共同体を含めた)「協働」が科学技術の学習の本質であることを示す.これらのキーワードを中心に,近年の科学技術教育におけるeラーニング実践を紹介し,様々な制約で実現できなかった学校における正続的な科学技術の学習を可能にする方策を示した.