2005 年 28 巻 3 号 p. 183-192
問題を解決するための情報を与えられることに慣れてしまい,問題を自ら発見し,解決するための情報を探し出し,それを適用して解決することが苦手な学生が増えている.自分で考えることで問題を解決する能力を習得・向上させることが必要である.そのためには,与えられた情報を記憶するだけでなく,学習者自身が考えることで問題を解決する学習が効果的である.そのような学習環境を提供するために,中置記法による式と逆ポーランド記法による式の相互変換を学習領域とする学習形態を提案する.これは集合学習と問題解決型の個人学習を組み合わせた学習形態で,学習の過程で間違いを気付かせることにより,学習者自身が考え,問題を解決する学習を体験させる.このような学習を効果的に支援する学習支援システムについても論じる.