本研究では,中学校段階の情報教育において生徒が形成する知識の構造を,高校1年生(78名)と中学1年生(72名)を対象として検討した.中学校技術・家庭科「情報とコンピュータ」の教科書から抽出した知識(40項目)に対するクラスター分析の結果,これらの知識が具体的な活動を通して形成される「実践的知識」と,専門用語やシステム構成の理解を通して形成される「系統的知識」とに分類された.また,「系統的知識」は,中高男女ともに,「情報活用の実践力」の下位能力である「処理力」と有意な相関を形成していることが明らかとなった.