2006 年 29 巻 Suppl 号 p. 157-160
近年のわが国では,他の教科と比べて,理科の勉強を大切であると認識している中学生は少ない.本研究では,このような現状を改善する実践的な試みの一つとして,リフレクション支援のITである再構成型コンセプトマップ作成ソフトウェアを利用した理科授業を実施し,授業におけるソフトウェア利用と中学生にとっての理科の勉強の大切さとの関係性について調査した.理科の勉強を大切だと思っていなかった生徒に焦点を当てて質問紙調査の結果を検討したところ,理科の勉強を大切だと認識していなかった生徒のほとんどが,ソフトウェアを利用した授業後に理科の勉強を大切だと認めるようになり,ソフトウェアの有効性を認めながら学習を展開していたことが明らかになった.