総合的な学習の時間に行われた,資料をもとにレポートを作成するという場面を対象とし,資料への書き込みの促進や黒板への板書,ワークシートの利用といった教師の支援が生徒の学習活動に与える影響について検討した.その結果,教師の勧めを受けても書き込みを行う生徒は少なく,行っていたとしても情報の探索や選択を十分に助けているとは考えられなかった.また,約半数の生徒は教師の板書を書き写しており,教師の板書をワークシートの「正解」だと捉えているのではないかと考えられた.さらに,レポート作成に際してワークシートから用いられた情報は半分程度にすぎず,配布資料から改めて選び直しているという生徒の実態が明らかになった.