2006 年 30 巻 Suppl. 号 p. 101-104
保育でのパソコン利用を考えている保育者を対象として質問紙調査を行い,その結果より得られた因子構造をもとに,パソコン利用に対する保育者の意識や態度について検討した.32項目の質問項目を用いた因子分析(主因子法,プロマックス回転)の結果,第1因子「保育への悪影響」,第2因子「子ども達の能力向上」,第3因子「情報化社会への適応」,第4因子「保育の広がり」の4因子を抽出した.保育でのパソコン利用を考えている保育者の意識や態度は,遊びがパソコン偏重にならないかという,第1因子の不安要素と,保育でのパソコン利用が子ども達の能力を向上させる役割や小学校教育での情報活動への繋ぎとしての期待,そして自らの保育の幅を広げるという,第2・3・4因子の期待要素から成り立っていることが明らかになった.