日本教育工学会論文誌
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中学生の「情報活用の実践力」における構造モデルの検討
市原 靖士阪東 哲也森山 潤
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2008 年 32 巻 Suppl. 号 p. 101-104

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抄録

本研究の目的は,中学生の「情報活用の実践力」の構造を検討し,教育実践に向けた基礎的知見を得ることである.高比良ら(2001)の作成した「情報活用の実践力」尺度(6因子)を用いて中学生計647名を対象とした調査を実施した.そして,各因子間の関係性について仮説モデルを設定し,構造方程式モデリングによるパス解析を行った.その結果,[収集力-判断力],[表現力-処理力,創造力,発信・伝達力]という2つの階層構造を持つモデルにおいてGFIが.941,AGFIが.923,RMSEAが.051と高い適合度が示された.このことから,中学生の「情報活用の実践力」を育成するためには,収集力を起点に判断力を育成する学習プロセスと表現力を起点に処理力,創造力,発信・伝達力を育成する学習プロセスという2つの構造を持たせることの重要性が示唆された.

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© 2008 日本教育工学会
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