2008 年 32 巻 Suppl. 号 p. 145-148
本研究では,オンラインコースの評価活動と改善を実施する上での課題について論じる.授業を評価し,改善していく取り組みは,教育の質保証において不可欠であるが,その実施には困難が伴う.青山学院大学のオンラインコースの評価・改善の取り組みでは,61件の改善が計画されたが,31件は改善ができなかった.その原因をKJ法で分析したところ,a.全体のカリキュラムや制度に起因:8件,b.教授チームの連携の問題:7件,c.時間・労力の不足:8件,d.改善点とは別の要因の問題:8件となった.約半数が従来では想定が難しい,プログラム全体の特性に起因していた.こうした側面に対する組織的なアプローチが必要と考えられる.