本研究は,一斉授業における児童間の連続発話の特徴を明らかにすることを目的とする.ある公立小学校4年の算数の授業を対象にビデオ記録を含む参与観察を実施し,児童間の連続発話を中心にカテゴリ分析を行った.さらに,児童間の連続発話と,他児童の発話との関連を検討するため,カテゴリの組み合わせによる分析を行った.その結果,本授業において,教師は,授業に直接関連した発話を中心に行っていた.児童間の連続発話場面では,先行発話者に対する同調行動が行われている可能性,また,児童間で暗黙的な発話ルールが共有されている可能性が示唆された.