日本教育工学会論文誌
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教員の話し方改善支援システムの開発に向けた講義音声の特徴分析(<特集>学習・教育支援のための技術開発)
西崎 博光関口 芳廣
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2010 年 34 巻 3 号 p. 171-179

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抄録

学生にとって分かりやすい講義を行うことは,教員に課せられた義務である.分かりやすい講義を行うためには,分かりやすい話し方を念頭に置く必要がある.本研究では,教員の話し方を改善するための支援システム構築のために,音声に含まれるどのような音響的な特徴が,話し方の改善に寄与できるのかを分析的に確かめた.研究では,まず,講義に参加した学生に対して講義音声評価アンケートを実施し,アンケート項目間の関連性を調査した.その結果,教員の話し方が講義の満足度や理解度と高い関連性があることが分かった.また,話し方は,音声の明瞭性や抑揚等の音響的な特徴とも高い関連性があることが明らかとなった.この結果を踏まえ,教員の音声に対して話速・声量・明瞭性・抑揚・ポーズの5つの特徴を抽出し,これらが各アンケート項目と関連性があることを見出した.さらに,これを用いることで教員の音声の特徴を分類することができた.

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© 2010 日本教育工学会
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