日本教育工学会論文誌
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異なる具体物による等分活動がインフォーマルな知識と方略に及ぼす影響
石井 康博
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2011 年 35 巻 1 号 p. 59-71

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抄録

算数科で利用される具体物の形状の違いが,子どもの等分方略にどう影響を与えるか検討する.小学4年を対象に「分数」導入授業を,単位に依拠せず,等分で分数表記する実験群(1学級)と,数量の単位に依拠し,長さ・かさの端の大きさを分数表記する教科書群(2学級)とに分け,実施した.等分に関するプレ・ポストテスト,子どもの等分方略,授業直後の内省記録をそれぞれ分析した結果,次の事項が確認された.1)具体物の形状に合わせてインフォーマルな知識が活性化される.2)授業前に等分理解が不十分と判断された子どもにとって,インフォーマルな知識を使った方略が等分理解に有効である.3)ポストテストでの誤答の多くは,部分が不等分であることを考慮せず,全体を区分された数値で分数の大きさを判断しているものである.これらより,部分と全体を相互参照できる活動で,インフォーマルな知識が活性化される具体物が有効であることが示唆された.

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© 2011 日本教育工学会
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