日本教育工学会論文誌
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概念マップ作成方式の違いによる記憶効果の差異の比較
舟生 日出男石田 耕平福田 裕之山崎 和也平嶋 宗
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2011 年 35 巻 2 号 p. 125-134

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抄録

知識の外化と整理が可能な概念マップは,学習効果が高いと言われている.概念マップ作成の過程は,ノードとリンクを対象から抽出する分節化と,それらを組み立てる構造化の2つに大別できる.Kit-Build方式では,分節化を教授者が予め行い,ノードとリンクをKitとして学習者に提供する.そして学習者はKitを認識し,Kitを組み立て(buildし)てマップを作成する.このようにKit-Build方式では,分節化の作業を,予め用意された部品を認識する作業に置き換えているため,従来の概念マップと同様の学習効果が得られるかは定かではない.そこで本研究では,従来通りに学習者が分節化を行ってマップを作成する統制群と,Kitを組み立ててマップを作成するKit-Build群を設定して,両者の記憶効果の差異を測る実験を行った.その結果,Kit-Build方式は,従来の概念マップ作成と同等の記憶効果が得られることが明らかになった.

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© 2011 日本教育工学会
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