日本教育工学会論文誌
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日韓の高学年児童における英語学習動機が授業評価に及ぼす影響
林原 慎
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2012 年 35 巻 4 号 p. 369-378

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抄録

本研究の目的は,1)日韓の初等教育高学年児童の英語学習動機の因子の構成,2)英語学習動機の日韓の差異,3)英語学習動機が「授業評価」に及ぼす影響,4)英語学習動機が「授業評価」に及ぼす影響のプロセスについての日韓の差異,の4点を明らかにすることであった.日本の児童414名,韓国の児童470名の5・6年生を対象とした研究の結果,英語学習動機は,「有用性」,「内発的」,「不安回避」,「交流欲求」の4因子であり,3因子で韓国の方が日本よりも有意に高かった.また,共分散構造分析によって,「児童の努力・理解度」は「有用性」「内発的」「交流欲求」から影響があり,「内発的」からは「授業の好感・満足度」を介して「児童の努力・理解度」への影響があることが明らかになった.さらに,多母集団同時分析によって,日本では「内発的」が「児童の努力・理解度」に直接影響を与えている一方,韓国では影響していないことなどが明らかになった.

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© 2012 日本教育工学会
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