2012 年 35 巻 4 号 p. 399-409
本研究では,大学初任者教員が職務における悩みについて対話するオンライン環境「Aloha!」を用いた実践を扱う.「Aloha!」は,ナラティヴ・アプローチの枠組みを援用した加藤(2009)の対話ルールに基づき,ビデオチャットを用いて対話をすることができる.初任者教員が「Aloha!」を用いた実践から,この取り組みが彼らの悩みの解決や,悩みの「見方」が変化することによる悩みの対処につながることが明らかになった.また本実践で対話が促された要因として,「Aloha!」そのものの機能に加え,初任者教員が対等な立場であることで,安心感を持ち対話できたことが示唆された.