日本教育工学会論文誌
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学校の組織開発において教員が課題実践に至る過程の探求
山田 寛邦
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2012 年 36 巻 1 号 p. 45-57

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抄録

本研究の目的は,学校の組織開発において,教員が生成した課題を実践するまでの過程を明らかにすることである.昨今わが国では学校における組織開発の研究が始まっている(佐古2006など).しかし同研究分野では組織開発において,「どのような過程」で教員が学年や学級の課題の実践に至るのか十分に説明されていない.本研究は学校(私立小・中学校)において組織開発を実施し,教員の課題の生成と実践との関係を明らかにすることを試みた実践的研究である.本研究で得られた知見は,(1)教員は「学校の教育目標に向けた実践の確かなイメージ(Clear Image of Practice for School Goals: CIPSG)」を得ることにより,課題の実践に至る,(2)「学校の教育目標に向けた実践の見通し・イメージが修正される(Modified CIPSG: M-CIPSG)」ことにより,教員の実践は修正される,(3)課題の実践・継続・修正は,「学校の教育目標を意識している」ことに影響を受ける,ということである.

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© 2012 日本教育工学会
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