2012 年 36 巻 2 号 p. 81-90
本研究は,3つの多視点型天体教材を活用した授業実践を行い,能動的操作による学習効果を検討した.その結果,能動的学習と受動的学習における学習内容の理解度は同様であった.また,授業中に教授していない「方位概念・時間概念を考慮した月の満ち欠け」において,能動的学習を行うことで課題の得点が向上したことが明らかになった.主観評価の結果,受動的に学習した生徒は,能動的に学習した生徒と比較して,月の満ち欠けのしくみについてさらに学びたいと感じたことが明らかになった.また,群間における学習内容の理解度の違いが教材に対する興味に影響を与えたことが示唆された.