2012 年 36 巻 Suppl. 号 p. 169-172
本研究では,大学の講義科目におけるコミュニケーションツールのひとつである授業通信について,学生がそれをどのように受け止めているか,心理学の専門科目でありながらも他専攻の学生の受講も可能になっている授業を対象に,詳細な検討を加えた.その結果,授業通信の教育効果は,当該の授業(心理学)の内容を専攻する学生よりも,専攻しない学生にとって明確であることが示唆された.専攻生は授業通信の有無以前に,授業内容に様々な形で動機づけられているのに対し,非専攻生にとっては教員との相互行為がより重要な意味を持っていると考えられる.