2013 年 37 巻 3 号 p. 269-285
高校生と大学生・社会人をソーシャルメディアでつなぎ,高校生のキャリア学習を支援するSoclaプロジェクトにおいて,高校生56名(ブレンド型学習28名,完全オンライン学習28名)が大学生や社会人によるFacebookを利用したサポートのもと,働くことや大学進学の意味について自ら設定した課題を追求する活動を行った.Facebookの利用状況,質問紙調査,半構造化インタビューの結果から,本実践を評価した.その結果,完全オンラインの場合,ブレンド型よりも離脱率が高いものの,修了者の学習への参加度が高かった.また,質問紙調査の結果から,進路に対する不安感が軽減され,進路選択自己効力が高まっていることが確認された.さらに,インタビュー結果から,支援者との対話や対外的な公開質問が学習者の認識の深まりに寄与していることが示唆された.