本研究においては,寺嶋ら(2013)が学習指導要領の記述を参考にして作成した思考力および表現力の自己評価用項目がどのような構造を持つのかを明らかにした.これは,思考力(20項目)および表現力(16項目)を小学生が自己評価するために作成されたものである.本調査用紙を4年生1クラス,5年生2クラスを対象に配布し,4件法で回答してもらったところ,100名からの有効回答を得ることができた.これらの回答を因子分析した結果,思考力については4因子(着想,整理,関連,選択),表現力については2因子(説明,交流・編集)が抽出された.抽出された因子および項目と先行研究を比較したところ,共通点がみられた一方で,いずれか片方しか触れられていない概念もあった.