2014 年 38 巻 3 号 p. 299-308
一人一台の学習端末における繰り返し学習はCAIから始まり,eラーニングまで続いているが,単なるドリル学習ではモチベーション維持が難しかった.本研究では,「見えないライバル」とネットワーク上でリアルタイムに対戦できる「つながる学習システム」を開発し,実証実験を行った.同程度のレベルのグループに分けられることにより,競争への意識が高まり,計算,算数への肯定感だけではなく,家庭学習の習慣にも好影響があることがわかった.8ヶ月にわたる実証実験の結果,本システムを利用した児童は,利用しない児童に比べ比較的短期間で計算力が向上することを実証した.また,計算力向上がみられる伝統的な習い事と比較しても同程度以上の効果があげられ,特に低学力層への効果が高いことがわかった.